投票日に都合が悪ければ期日前投票―投票するチャンスはある

はじめに

投票日にいろいろな事情で投票に行けない場合には期日前投票ができます。
どんな場合に、どこで、どうやってできるかなど期日前投票の制度を説明します。
それとともに、有権者の投票の機会を確保するためのいろいろな投票の方法についても紹介します。

まず押さえよう

投票日に都合が悪ければ、期日前投票ができます。

期日前投票は、公示日(告示日)の翌日から投票日の前日まで、市町村役場や選挙管理委員会の指定する場所で、原則として、午前8時30分から午後8時までできます。

投票所入場券を持参しましょう。裏に宣誓書が印刷されている場合には、あらかじめ記入しておくとスムーズに投票できます。

投票日に都合が悪ければ期日前投票ができる

選挙は、投票日に投票所に行って投票するのが原則です。

でも、日曜日に仕事をする人もいますし、お出かけをする人もいます。そうした人は投票日の前にも投票することができます。

もう少し具体的に、どういう場合に期日前投票ができるかといいますと、投票日当日に、

  1. 仕事があったり、学校に行かなければならない人や自分が役割のある冠婚葬祭行事がある人
  2. 買物やレジャーで投票区の外に出かける人
  3. 病気や出産、体が不自由などにより歩行するのが困難な人
  4. 選挙人名簿に登録されている市町村外に転居している人
  5. 天災や悪天候により投票所に行くのが困難な人 などです。

期日前投票はどうやってするの?

いつからいつまでできるの?―選挙の公示日(告示日)の翌日から投票日の前日までです。

何時から何時までできるの?―原則として、午前8時30分から午後8時までです。ただし、市町村によって異なる取扱いをしている場合がありますので、送られてきた入場券で確認するか、市町村の選挙管理委員会のホームページや電話で確認してください。

どこでできるの?-市町村役場や市町村の選挙管理委員会が定めた場所です。これも時間と同様の方法で確認してください。

持っていくものは?―投票所の入場券を持参してください。届いていなれば、マイナンバーカードや運転免許証などを持参することを勧めますが、取り扱いは市町村によって違う場合がありますので、これも時間と同様な方法で確認するのがよいと思います。

なにか手続をするの?-期日前投票については、投票日当日都合が悪いことの宣誓書を提出します。投票所入場券の裏側が、宣誓書になっている自治体もあります。その場合には、あらかじめ記入してから期日前投票の場所に行くと、スムーズに期日前投票ができます。

具体的には、どうやって投票するの?―宣誓書を出す以外は、投票所における投票と流れは一緒です。初めての投票が期日前投票の方は、別のブログ『投票所はこわくない―はじめてでもわかる投票のしかた』をご覧ください。

昔は違う制度だったの?

この期日前投票の制度は、平成15年6月の公職選挙法の改正でできた制度です。
それ以前は、同じように、投票日当日に都合が悪い場合、事前に投票ができる制度として、「不在者投票制度」がありました。
今に比べると、投票日当日に投票すべきという原則が強く、例外的に投票させるという色合いが濃い制度でした。
また、手続も、直接投票用紙を投票箱に入れるのではなく、二重の封筒に入れて封をするというものでした。

各種選挙における投票率が低下傾向にあることや複雑な手続についての不満などを背景にして、この「期日前投票」制度ができました。

今もある不在者投票制度

不在者投票制度が全面的に期日前投票制度に変わったわけではありません。
不在者投票制度はまだ残っています。

例えば、選挙の告示日(やその前)から投票日までずっと出張で遠くの市町村にいるような場合には、期日前投票ができません。
では、あきらめなければならないかというと、その場合には、一定の方法で、住んでいる市町村の選挙管理委員会に投票用紙などを請求して、それらをもって、出張で滞在している市町村の選挙管理委員会に行って投票することができます。

また、長期間、病院に入院していたり、施設に入所している人は、その病院や施設で投票ができる場合があります。

こうした方法で行う場合には、これまでと同様、「不在者投票」の制度が適用されます。

できるだけ投票することができるためにーいろいろな投票制度

有権者ができるだけ投票ができるように、そのほかにもいろいろな投票制度を設けています。
いくつか例を挙げます。

在外投票制度―国外に居住する有権者が投票できる制度です。

国外不在者投票制度―国外に派遣されている自衛隊員などが不在者投票できる制度です。

船員の洋上投票―遠洋区域を航行する船員が不在者投票できる制度です。

郵便等による不在者投票―一定の重度身体障害者が、自宅等において投票用紙に記載し、郵便等で送付する方法による不在者投票です。

点字投票―目が見えない人が点字による投票を行う制度です。

代理投票―心身の故障などにより、自分で字が書けない人が投票する場合に、一定の手続により、代筆し、投票する制度です。

ご自身や友人知人などが、こうした事情により投票をあきらめているのであれば、一度、お住まいの市町村の選挙管理委員会に尋ねてみることをお勧めします。

根拠法令等

本記事の根拠法令等は次の通りです。
解説は分かりやすくするために、主な事項だけを説明したり、法令にはない用語を用いたりしている場合があります。
正確に知りたい場合には、条文や文献等を確認してください。

公職選挙法第48条の2(期日前投票)
同法第49条(不在者投票(国外不在者投票及び洋上投票も同条に規定))
同法第49条の2(在外投票制度)
同法第47条(点字投票)
同法第48条(代理投票)

公職選挙法施行令第5章(不在者投票)

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